現在のマウスパッドで使用されている布は、ご存知のように化学繊維。原料は高分子、早い話が樹脂。
これを溶かし、ノズルから押しだし、冷却して糸がつくられます。この糸を編んだり、織ったりして布が出来上がりますが、これも、いろいろあります。
原料は、ナイロン、ポリエステル etc などがありますが、マウスパッドに使用されている布はナイロン製が多い。ナイロンは磨耗に強いが、耐熱性に弱く、こしがない。ポリエステルはナイロンに比較し、こしがあり、吸湿性が低い。
ナイロンは、耐熱性の弱さを利用することにより熱プレスなどでセットすることにより、型くずれし難くすることができます。つまり、起毛の多い布の表面を整えることができます。
トラッキング性能を上げるには、起毛の多い糸、撚糸 ( よった糸 ) などを使用し、織る、編むと、ほぼ万全に近くなります。不定形なテクスチャーになるからです。反面、滑り性、平滑性が損なわれがち。
滑り性、使用感は、布の織り方、編み方とも密接に関わっています。糸の太さとも関係あります。
海外メーカー製のものを見ると、起毛の多い糸による平編み、撚糸を使った梨地織り、などが使用されています。糸は、太め (厚め)。
こういった布はトラッキングにおいては安定しているのが特徴。滑り性、平滑性は低下しますが、一方では、止めやすくいといえます。
梨地にするとザラザラ・タイプとなります。平滑性は低下しますが、ザラザラ感を好まれる方には良いと思います。滑り性を改善するために、フッ素加工 (撥水加工)、熱プレスなどので表面加工で工夫されています。ただ、撥水加工した布は貼り合わせが困難。とはいえ、表面のコーティイングだけでは、すぐに剥離してしまいます。頭の痛い課題です。
編み方、織りかたは、性能だけではなく、マウスパッドの製造とも大きく関係してきます。
織物は、切断すると、切断面がヒゲのようになり、そこからほつれてきます。平編みもその傾向があります。マウスパッドの端が、程度の違いはありますが、ヒゲ状になっているのはそのため。
溶断という方法で切断すればこの問題は解決しますが、発泡体と貼りあわせた後に、トムソン型で打ち抜くので、溶断は使えません。編み地は、まだいいのですが、織り地は、ほつれを防止しないと、どんどん、ほつれていきます。
ロックミシンによる縁かがり縫いを行うか、パイピングを行うかにより、ほつれ防止をしなければなりません。専用の熱プレス型を製作するのも一案。他社も苦労していると思います。布製は、けっこう、たいへんです。
布製マウスパッドも、これ一枚でというのは難しい。KAI.g2 HT | UT シリーズは、3G/3.5G への対応 (ローセンシーも含め) と、滑りを抑え、止めやすいことを重点に造られています。もちろん、3G/3.5G 以外のマウスでもご使用になれます。
ただ、残念ながら、IE 3.0 においては、最も、ローセンシーな設定において動作が安定しません ( 謎です )。とても残念な思いですが、しかたありません。マウス対応表をご参照ください。
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