ZOWIE 社の G-TF はよくできた製品です。朱子織のパターンの一つ、梨地織(アムンゼン織)。
太めのナイロン糸を使った強撚糸による織地に撥水加工(フッ素加工もしくはシリコン加工)を施している。
よくバッグに使われている鹿の子織りの、梨地版かな。強燃で織った布地はトラッキングに強い。一方、太い糸の強燃糸による織地は密度が粗くなるので、細かなエイミングには不利。このあたりのバランスが難しい。
ARTISAN の開発においても試験をしたけど、独特のザラザラ感がスタビリティーを損なうと考え、採用を見送った。しかし、このザラザラの表面性状が止めやすいことは確か。
また、このザラザラ感が、マウスの移動量を感覚的に捉えやすいという意見にもうなずける。
ザラザラ感は好まれないと考えていたが、好む方もいることが分かった。これも、メーカーの責任かも。ユーザーに製品として示していなかっただけのこと。改めて、予断はいけないと反省。
ポイントは撥水加工と密度。織地は編地に比べると密度が粗い。山越え抵抗が増す。これは滑り性にとってはマイナス。それと、織物は裁断面がホツレてくるので、後処理が面倒。
撥水加工により滑性を付与すると滑り性能は高まる。が、課題は耐久性。
もむ、洗う、摩擦は、撥水加工布の天敵。加工技術によりピンキリ。コーティングのような撥水加工は弱い。繊維レベルで加工しないとダメ。それでも、不安が残る。
地道に耐久試験をやってみる。100万回ストロークが基準。超撥水加工で、なんとか合格するようであれば ARTISAN も、中速タイプとして、強燃平織りタイプをラインナップしようと考えています。
不合格の場合は、撚糸の太さと、朱子織りのパターンにより、滑り性を高めるしかない。
ちなみに、ARTISAN KAI.g2 U タイプは、樹脂含浸加工により布地にシャリ感を付与し、耐久性と滑性を高めています。でも、布です。
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